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網膜、眼底 | |
疾患: | 加齢黄斑変性、網膜静脈閉塞症、糖尿病網膜症、網膜剥離、黄斑円孔、黄斑前膜、網膜変性症 |
診断機器: | 造影剤を用いない血管造影(光干渉断層計血管造影(OCTA))、眼底像に対応した網膜感度計測(網膜微小視野計)、視細胞形態撮影(rtx-1)、造影剤を用いない網膜性状評価(眼底自発蛍光、HRA2, F-10)、造影剤を用いた血管造影 |
治療法: | 抗VEGF療法 |
ナビゲーションレーザーによる閾値下レーザー照射 | |
小切開硝子体手術 | |
光線力学的療法 | |
研究: | 抗VEGF剤投与法の検討 |
OCTAを用いた網脈絡膜形態観察 | |
加齢黄斑変性と遺伝子多型および補体因子の検討 | |
AIによる画像診断と画像解析 | |
ナビゲーションレーザーの効率的利用技術 | |
網膜変性疾患の遺伝子研究(AMED分担研究) | |
各種抗VEGF新規薬剤の臨床治験 |
弱視・斜視外来は当科の専門外来としては歴史が長く、昭和45年頃に開始されました。弱視や斜視の診断、治療は勿論、小児眼科全般にわたる広い守備範囲を持っています。斜視の治療では手術の件数も多いのみならず、光学的治療(屈折矯正やプリズム治療)への取り組みも積極的に行っています。これは、当教室の伝統的研究分野でもある眼光学、屈折・調節という専門性を生かしたものといえ、そのノウハウは弱視治療にも大いに役立っています。また、小児の調節機能や調節性内斜視の発生についての研究も臨床に即して行ってきています。他には心身障害や眼先天異常などをもつ児の視覚障害や、心因性視覚障害の診療にも力を入れています。さらに3歳児眼科検診にはその開始以前から長くかかわり、現在も福島市の検診への視能訓練士の参加と屈折検査の導入を行うなど、全国に先駆けて検診の充実に取り組んでいることも強調される点です。
眼形成も当科における特徴的分野といえます。眼瞼下垂や内反症、眼窩壁骨折をはじめ、眼付属器の腫瘍性疾患などの治療、さらには眼球摘出術後の無眼球眼窩および義眼床の諸問題の解決など、他施設にない取り組みをしています。中でも眼窩壁骨折の診断と治療(手術)は全国をリードする水準です。これには、学内での脳外科、放射線科、耳鼻科、歯科(口腔外科)、形成外科、麻酔科、救急科など多くの科との連携がスムーズに行われている背景も無視できません。
神経眼科は視神経疾患、甲状腺眼症、眼球運動障害、眼瞼痙攣などの診断・治療を専門とする分野です。これらの疾患は多発性硬化症、内分泌障害、重症筋無力症、頭蓋内疾患、脳血管障害などが密接に関連し、眼科の知識だけではなく全身疾患や全身管理、内科学的考察、神経診断学、脳神経外科疾患、遺伝子診断学、神経解剖学、画像診断学など、多岐にわたる知識が要求されます。また、神経内科医や脳神経外科医、内分泌、膠原病の専門家との密接な連携が重要となります。
緑内障は40歳以上の約5.8%が罹患し、適切に治療されなければ失明に至る重篤な視機能障害をもたらします。わが国の失明原因の第一位を占めており、その診断・治療・管理を適切に行うことが重要です。大学病院の性格上、当科では薬物治療だけでは対応できない症例の割合が多く、レーザー手術や観血的手術を併用して治療を行っています。最近では、緑内障フィルトレーションデバイスを用いることで良好な術後成績が得られています。
種々の角膜疾患に対して角膜移植を行っていますが、まだ手術を待っている患者数に比べて提供される眼球が少ないのが現状です。今後も福島県臓器移植推進財団と協力してドナー登録を推進していく必要があります。
研究は組織活性化のエネルギー源です。優れた研究なくして、魅力ある教育や診療を行うことは不可能です。個々の医師が優れた臨床能力を獲得するための一番の近道は、日常の臨床から発した疑問を臨床研究・基礎研究で解決するところにあると考えます。臨床上の課題から発想した研究を行い、その研究の成果を福島から世界へ向けて情報発信していきたいと思います。
視覚リハビリを定期的に実施しております。ロービジョングッズの紹介、他施設への紹介を行っておりますので、ご希望の方はスタッフに声をかけて下さい。